油が酸化すると、味や香りに変化が出る
ポテトチップスの袋で酸素を減らすのは、主に油の酸化を抑えるためです。油を使った食品は、酸素との反応が進むと風味が落ちたり、好ましくないにおいが出たりすることがあります。
カルビーの説明でも、空気に触れた油が変化して味や臭いに影響するとされています。研究でも、ポテトチップスを空気、真空、酸素を減らした環境などで保存すると、保存中の酸化の進み方が変わることが確認されています。
チップスの一枚一枚は薄いため、外からの圧力が一点に集中すると破損しやすくなります。袋の中に余裕があることで、袋そのものが先に変形し、力の集中をやわらげる余地が生まれます。
袋の中の気体は、見た目よりも「保存中の品質」に深く関わっているのです。
窒素だけでなく、袋そのものも食品を守っている
袋を膨らませれば、それだけで十分というわけではありません。外から酸素や水分が入りにくい包装材料を使うことも重要です。国立国会図書館のレファレンス事例では、ポテトチップスの包装に防湿性や酸素を通しにくい性質、光を遮る性質を持つ複合フィルムが用いられると紹介されています。
気体の置き換えと、袋そのものの性能はセットで考えるものです。
包装機から店頭までの道のりは、意外に長いものです。だから袋の役割は、工場を出た瞬間で終わりません。箱詰め、積み重ね、運搬、陳列まで含めて、最後の一枚を守る設計になっています。
さらに、パリッとした食感を守るには水分も無視できません。酸素だけを気にすればよいと思いがちですが、実は「しけり」も包装の大敵です。
