袋が大きいほど、チップスは割れにくくなる?
まず一つ目の疑問を解いておきましょう。袋が膨らんでいる大きな理由の一つは、中身と外からの力の間にクッションとなる空間をつくることです。
たとえば箱の中で品物同士がぎゅうぎゅうに詰まっていると、外から受けた力がそのまま中身に伝わります。反対に少し余裕があれば、力を受け止める余地ができます。
窒素は無色なので、開封しても「何が入っていたのか」を目で確かめることはできません。だから袋の大きさだけが手がかりになります。見えない工夫が、見える形になっているとも言えます。
ポテトチップスの袋でも、この考え方が利用されています。国立国会図書館の「レファレンス協同データベース」に掲載された調査でも、窒素を入れて袋を膨らませることで外力による損傷を防ぐ、と整理されています。
配送中の「押される・ぶつかる」にも意味がある
店頭に並ぶまで、ポテトチップスは何度も移動します。工場から箱に入り、トラックで運ばれ、倉庫を通り、店員が棚に並べます。その途中では、袋同士がぶつかったり、箱の中で押されたりする場面があります。
消費者が手にするまでの時間を、最後まで品質管理の一部として考えると、袋の余白がある理由も分かりやすくなります。
窒素がよく使われるのは、反応しにくい気体であることに加え、食品包装で扱いやすいからです。サントリーも窒素充填を、容器内の空気を窒素で置き換える方法として案内しています。
大切なのは「袋を大きく見せること」ではありません。壊れやすい中身を守るために、あえて空間を残しているのです。そして、この空間を作っている気体には、もう一つ重要な仕事があります。
