Q. 空気を抜くだけではダメなの?
「酸素が問題なら、空気をできるだけ抜くだけでいいのでは」と思う方もいるかもしれません。しかし、空気を完全に抜ききるのは、実はとても難しいことだといわれています。
袋の中にわずかでも酸素が残っていれば、時間をかけて少しずつ酸化は進んでしまいます。ゼロに近づけようとしても、限界があるのです。
そこで登場するのが、別の気体を積極的に送り込んで酸素を押し出す、という発想です。空間を空気の少ない状態にするのではなく、酸素が入り込む余地そのものをなくしてしまうイメージです。
ただし、どんな気体でもよいわけではありません。選ばれる気体には、共通する大事な性質があります。次のページで、その性質について説明します。
「不活性」という言葉の意味
食品の包装で使われる気体には、「不活性」という性質が求められることが多いといわれています。これは、他の物質と反応しにくい、という意味の言葉です。
酸素は反応しやすい気体だからこそ、油と結びついて酸化を引き起こしてしまいます。逆に、反応しにくい気体であれば、油とふれても変化を起こしにくいと考えられます。
この「反応しにくさ」こそが、袋の中身として選ばれる気体の最大の条件になります。世の中には反応しにくい気体がいくつかありますが、食品の分野で使われるものは、ある程度限られているとされています。
次のページでは、実際にどんな気体が候補になっているのか、海外の事例もまじえながら見ていきます。
