もし本当に心臓が止まったらどうなるのか
ここで少し想像してみましょう。もし本当に心臓が数秒間でも完全に止まってしまったら、体にはどんなことが起きるのでしょうか。
心臓は、全身に血液を送るポンプの役割をしています。このポンプが止まると、脳に酸素を含んだ血液が届かなくなり、わずか数秒から十数秒ほどで意識を失うといわれています。そのままの状態が続けば、命に関わる緊急事態です。
もしくしゃみのたびにこれが起きているとしたら、くしゃみをするたびに倒れる人が続出してもおかしくありません。実際にはそのようなことは起きていないため、くしゃみで心臓が完全に止まっているとは考えにくいのです。
とはいえ、医学的に心臓が「止まる」とされる状態が、まったく存在しないわけではありません。次は、その医学的な意味について詳しく見ていきます。
心臓が「止まる」ことは医学的にあるのか
医学的に「心臓が止まる」とされる状態には、心停止と呼ばれるものがあります。これは病気や事故などが原因で起こる、命に関わる重い状態です。
一方で、くしゃみのときに感じる「一瞬止まった」ような感覚は、脈が一時的に飛んだように感じられる現象と考えられています。これは期外収縮と呼ばれる、脈のリズムが一拍だけずれる現象に近いものだとされる場合があります。
期外収縮そのものは、健康な人にも日常的に起こりうるとされていて、多くの場合は特に心配のいらないものです。くしゃみの後に感じる違和感も、こうした一時的なリズムの乱れが関係していると考えられます。
「止まる」という言葉のイメージと、実際に体の中で起きていることには、かなりの差がありそうです。次のページでは、脈のリズムが乱れる現象そのもの、つまり不整脈について、もう少し詳しく見ていきます。
