「心臓が止まる」とはそもそもどんな状態か
「くしゃみをすると心臓が止まる」という話を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。もし本当だとしたら、かなり怖い話です。
ここでまず確認しておきたいのは、医学的な「心停止」がどれほど重い状態かということです。心臓は電気信号によって規則正しく動いています。この信号が完全に止まると、数秒のうちに意識を失い、そのままでは命に関わります。
くしゃみをするたびに気を失ったり、倒れたりする人はほとんどいません。このことから、くしゃみのたびに本当に心臓が止まっているとは考えにくいことが分かります。
ただし、くしゃみと心臓がまったく無関係というわけでもないようです。実はくしゃみの瞬間、体の中では小さな変化が起きていることが分かっています。
くしゃみの瞬間に体で起きていること
くしゃみは、鼻の粘膜がゴミや花粉などの刺激を感じ取ることから始まります。この刺激の情報は脳に伝わり、そこから「くしゃみをしなさい」という指令が全身に送られます。
実は、くしゃみは鼻だけの動きではありません。胸やお腹、のど、顔まわりなど、体のさまざまな筋肉が一斉に激しく動きます。専門家の資料によると、くしゃみはほぼ全身の筋肉を使う激しい運動であり、何度も連続すると呼吸がしづらくなるほど体力を使うといわれています。
さらに、くしゃみをしている間は目を閉じてしまい、一瞬ではありますが他の動作もできなくなります。
次のページでは、この「目を閉じる」ことや、体の中で起きている変化が、なぜ「心臓が止まった」という感覚につながるのかを見ていきます。

