「一瞬止まった」ように感じる本当の理由
ふだん、私たちは自分の心臓の動きをほとんど意識していません。だからこそ、脈が一拍だけ強く感じられたり、リズムがずれたりすると、その変化にとても敏感に気づいてしまいます。
脈が一瞬ゆっくりになったあと、体はそのぶんを取り戻そうとして、次の一拍を少し強く打つことがあります。この「強く打つ一拍」を、多くの人は「ドクン」という大きな違和感として感じ取ります。これが「止まっていたものが再び動き出した」ような錯覚につながっていると考えられます。
くしゃみという分かりやすいきっかけと、胸の中でのはっきりした感覚が重なることで、「くしゃみ=心臓が止まる」という言い伝えが、時代を超えて語り継がれてきたのでしょう。
ただし、人によっては、この一時的な変化がもう少し強く出て、めまいや失神につながることもあります。次のページで、注意しておきたいケースを紹介します。
頻繁に失神するときは注意したい持病もある
くしゃみのたびに毎回強いふらつきや失神が起きる場合は、単なる一時的な反応ではなく、体質や持病が関係している可能性も考えられます。
たとえば、首の血管にあるセンサーが敏感になっている「頸動脈洞症候群」と呼ばれる状態では、首をひねったり、上を向いたりするだけでも血圧が急に下がり、失神につながることがあります。くしゃみのときの首の動きが、これに近い刺激になっている場合もあるようです。
また、もともと脈のリズムに異常がある人の場合、くしゃみのようなきっかけで症状が目立ちやすくなることも考えられます。年齢を重ねるほど、こうした反応が起きやすくなる傾向もあるといわれています。
くしゃみそのものは心配いらなくても、それをきっかけに毎回強い症状が出る場合は、体からのサインかもしれません。次のページで、そうしたときの向き合い方を紹介します。
