実は「3食」が当たり前になったのはつい最近だった
今では朝・昼・晩の3食を食べるのが当たり前だと感じている人がほとんどだと思います。しかし、これは大きな誤解です。実は日本人が毎日3回食べる生活を送るようになったのは、長い歴史からするとつい最近のことなのです。
奈良時代や平安時代の人たちは、朝と夕方の2回しか食事をとりませんでした。武士が活躍した戦国時代でも、基本は2食のままだったとされています。
つまり「日本人は昔から3食」というイメージ自体が、実は正しくないのです。江戸時代がキーワードになりますが、単に「江戸時代だから」というだけでは説明になりません。江戸時代は260年以上続いた長い時代で、ずっと3食だったわけではないからです。
ではいつ、どんなきっかけで3食に変わったのでしょうか。その答えを探る前に、まずは日本の食事の歴史を順番に見ていきましょう。
世界的に見ても日本の3食定着は早くなかった
食事の回数を世界の歴史と比べてみると、面白いことが分かります。古代エジプトでは紀元前13世紀ごろにはすでに1日3食が定着していたと言われています。古代ギリシャの都市国家でも、同じころから3食が普通だったとされています。
一方でヨーロッパは、ローマ時代から中世にかけて長いあいだ1日2食の生活が続いていました。中国大陸でも、戦国時代のころから1日2食が基本で、宋の時代になってようやく軽い間食が加わったとされています。
こうして比べると、日本で3食が庶民に定着したのは江戸時代の中ごろ、17世紀の終わりから18世紀の初めにかけてのことです。世界の中では、決して早い方ではなかったということになります。
次のページでは、日本人がもともとどんな時間に、どんな食事をしていたのか、もう少し詳しく見ていきます。

