「3食が絶対に正しい」と思い込みすぎる必要はない
ここまで3食の歴史をたどってきましたが、最後に1つ気をつけておきたい点があります。それは「1日3食が絶対に正しい」と思い込みすぎる必要はない、ということです。
これまで見てきたとおり、3食という習慣は、もともと科学的な根拠から生まれたものではなく、江戸時代の暮らしの事情から自然に広まったものでした。体を動かす量や生活リズムは、人それぞれ異なります。
自分の体調や生活スタイルに合わせて、食事の回数やタイミングを見直すこと自体は、決しておかしなことではありません。ただし、極端に食事を減らしたり抜いたりすることは、体調を崩す原因にもなりかねないため、無理のない範囲で調整することが大切です。
もし今も「2食文化」が続いていたら
最後に、少し想像を広げてみましょう。もし江戸時代に明暦の大火が起きず、菜種油の灯りも普及していなかったら、今の私たちの生活はどうなっていたでしょうか。
もしかすると、今でも朝と夕方の2回だけ食事をとる生活が続いていて、「お昼ごはん」という文化そのものが存在しなかったかもしれません。学校や会社にお昼休みという概念もなく、1日のリズムはまったく違うものになっていた可能性があります。
たった1つの大火事と、1つの照明の普及が、何百年も先の私たちの毎日の食卓にまで影響を与えている。そう考えると、歴史のちょっとしたできごとが積み重なって今の暮らしができていることの面白さを感じます。最後のページでは、ここまでの内容をまとめて振り返ります。
