戦国武将は本当に3食だった?伝わる説を紹介
ここで少し寄り道をして、戦国時代の武士と食事の関係についても触れておきます。よく言われる話として、戦国武将は戦場で体力を維持するために、1日3回食事をとっていたという説があります。
これはあくまで伝えられている話であり、すべての武将や兵士に当てはまる確かな記録があるわけではありません。ただ、合戦という激しい運動を伴う場面では、2食だけでは体力が持たなかっただろうという考え方には、一定の説得力があります。
実際、体を大きく動かす場面ほど食事の回数が増える傾向は、これまで見てきた奈良時代の労働者の例とも共通しています。「動く量が多いほど、食事も増える」というシンプルな関係は、時代を超えて繰り返し現れるテーマだと言えそうです。
合戦を支えた携帯食「兵糧丸」という工夫
戦国時代の武士が戦場に持って行った携帯食も、当時の食生活を知る手がかりになります。代表的なものが「兵糧丸」と呼ばれる、米や豆などを練り固めた携帯食料です。
これは今でいう栄養補助食品のようなもので、少ない量で効率よくエネルギーを補える工夫がされていました。合戦中は落ち着いて食事をとる時間が限られていたため、こうした携行食が重宝されたと考えられています。
戦のない平和な時代になると、こうした携行食の工夫は徐々に必要とされなくなっていきます。そして江戸幕府が開かれ、世の中が落ち着いていく中で、日本人の食生活は次の大きな転換点を迎えることになります。次のページからは、いよいよ舞台を江戸時代に移していきます。
