緯度が上がるほど、面積はどのくらい膨らむのか
メルカトル図法での面積の広がり方には、ある程度の規則があります。赤道付近(緯度0度)では、実際の面積とほぼ同じ大きさで描かれます。
ところが、そこから北や南に離れていくにつれて、拡大される割合はどんどん大きくなっていきます。目安として、緯度60度あたりでは、面積がおよそ4倍近くにまで拡大されるといわれています。
そして、より高緯度に位置するグリーンランドのあたり(緯度70度前後)になると、拡大の度合いはさらに大きくなります。資料によって示される倍率には幅がありますが、10倍を超え、場合によっては15倍以上にもなるとされる場合があります。ただし正確な倍率は、比べる場所の緯度によって細かく変わる点には注意が必要です。
つまり「北にある国は大きい」のではなく、「北にある国ほど、地図の上で大きく描かれやすい」というのが実態に近い言い方だと考えられます。
グリーンランドは、本当はどのくらいの大きさなのか
先ほど、グリーンランドの実際の面積は約216万平方キロメートルとお伝えしました。これがどのくらいの大きさなのか、身近なものと比べてみましょう。
オーストラリア大陸の面積は約769万平方キロメートルとされています。つまりグリーンランドは、オーストラリア大陸の3分の1にも満たない広さしかありません。地図の上では両者がまるで同じくらいの陸の塊に見えることもありますが、実際にはかなりの差があります。
日本の国土面積が約38万平方キロメートルであることを踏まえると、グリーンランドは日本のおよそ5.7倍ほどの広さです。決して小さい島ではありませんが、地図で受ける「大陸級」の印象ほどではない、というのが実際のところです。
ここまでで、地図と実際の広さのズレがかなり大きいことが見えてきました。では、こうした地図の性質は、実際の社会でどんな影響を与えてきたのでしょうか。
