「世界地図の大きさ」は本物ではない…440年間続いた錯覚

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メルカトル図法のどこがそんなに便利だったのか

メルカトル図法の最大の特徴は、「角度が正しい」ということです。専門的には「正角図法」と呼ばれますが、これは地図の上のどんな場所でも、角度の関係がゆがまずに保たれる、という意味です。

たとえば地図上で北から東へ45度の線を引いたとします。メルカトル図法なら、実際に船がその方角のままコンパスに従って進むと、地図の直線どおりの航路をたどることができます。

この、常に同じ角度で進める航路のことを「等角航路」と呼びます。目的地までずっと同じ方角を保ったまま進めるので、当時の航海士にとってはこれ以上ないほど扱いやすい地図でした。

ただし、この「角度の正しさ」を実現するためには、ある大きな代償を払う必要がありました。

便利さと引き換えに、犠牲になったもの

地球儀を思い浮かべてみてください。赤道の周りは横の線(緯線)がぐるりと長く、北極や南極に近づくほど、その横の線はどんどん短くなっていきます。

ところがメルカトル図法では、この緯線をすべて同じ長さの直線として描きます。本当は短いはずの北極付近の線を、赤道と同じ長さまで無理やり引き伸ばしているのです。

そして角度を正しく保つためには、横方向だけでなく縦方向も同じ比率で引き伸ばす必要があります。その結果、緯度が高くなるほど、陸地の面積がどんどん実際より大きく表現されてしまうのです。

「角度を正しくする」という便利さの裏側で、「大きさの正確さ」が静かに犠牲になっていた。これが、私たちが今も見ている世界地図の隠れた仕組みです。

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この記事を書いた人

「知ってよかった。誰かに話したくなる。」を合言葉に、暮らし・歴史・言葉・お金・身体・食べ物など、身近だけど意外と知らない雑学を日々調査してお届けしているBest For Youの編集チームです。難しいテーマもわかりやすく、読み終わった後につい誰かに話したくなるような記事づくりを心がけています。