今回の内容のまとめ
最後に、今回の内容をあらためて振り返ってみます。私たちがよく目にする世界地図の多くは、1569年にメルカトルが考案した図法をもとにしています。
この図法は、航海の際にコンパスの角度と地図の直線を一致させるために作られたもので、その代わりに緯度が高くなるほど、陸地の面積が実際より大きく表現されるという特徴を持っていました。
グリーンランドとアフリカの14倍近い面積差や、ロシアとアフリカの逆転した印象など、地図の見た目と実際の広さが大きく食い違う例は、決して珍しいものではありません。
2017年のボストンの学校の事例や、近年のアフリカ諸国からの声など、この話題は今も世界のあちこちで続いている、現在進行形のテーマでもあります。
これから地図を見るときに、意識したいこと
今回の話を読み終えたあと、あらためて世界地図を眺めてみると、これまでとは少し違った見え方をするかもしれません。
地図は決して「間違ったもの」ではなく、それぞれの目的のために工夫を重ねて作られた、優れた発明品です。ただ、その地図が「何を正確にするために作られたのか」を知っているかどうかで、受け取り方は大きく変わってきます。
これから世界地図を見る機会があれば、ぜひ北極や南極に近い国の大きさを、少しだけ割り引いて眺めてみてください。世界の本当のバランス感覚が、これまでとは違って見えてくるはずです。
たった1枚の地図の裏側に、これほど奥深い歴史と工夫が詰まっていたと知ると、日常の何気ない地図の見方も、少し豊かなものになるのではないでしょうか。
