他にもある、大きさのズレを解消しようとした地図たち
面積の正確さを重視した地図は、ガル・ピーターズ図法のほかにもいくつか考案されています。たとえば「モルワイデ図法」や「グード図法」といった名前を、地理の授業で見た記憶がある人もいるかもしれません。
こうした地図はいずれも、面積の比率を実際に近づけることを優先していますが、その代わりに陸地の形が楕円形に歪んだり、大陸ごとに切れ目を入れて表現したりと、それぞれ独自の工夫と犠牲を抱えています。
また、日本人研究者が考案した「オーサグラフ世界地図」という、面積や形のバランスを取ることを目指した比較的新しい地図が、世界的なデザイン賞を受賞して話題になったこともあります。
どの地図にも一長一短があり、「これが完璧な世界地図だ」と言い切れるものは、実は今のところ存在しないというのが実情です。
2020年代、アフリカ諸国からも上がっている声
この地図の大きさの問題は、過去の出来事として終わった話ではありません。近年でも、この件に関する動きが報告されています。
2020年代に入ってからは、アフリカの国々の間で、実際の国土の広さが地図に十分に反映されていないとして、面積を正確に表す図法の1つである「イコールアース図法」の採用を呼びかける動きがあると伝えられています。
この図法は、面積の正確さを保ちながらも、比較的自然な形で陸地を表現できるように設計された、近年開発された図法の1つとされています。
1569年に生まれた1枚の地図をめぐる議論が、450年以上経った今も世界のどこかで続いている。そう考えると、地図というものの奥深さが伝わってきます。
