地図にまつわる、もう1つの豆知識
ここまで面積の話を中心にしてきましたが、実は世界地図には「どこを中心に描くか」という、また別の奥深いテーマも隠れています。
日本でよく見る世界地図は、日本や太平洋がほぼ中央に来るように描かれていることが多いですが、ヨーロッパやアメリカで作られる地図では、大西洋やヨーロッパを中心に据えたものが一般的です。
地球は丸いため、本来「世界の中心」という場所は存在しません。しかし平らな地図にする以上、どこかを真ん中に据える必要があり、その選択には、作られた国や文化の視点がどうしても反映されてしまいます。
大きさのゆがみだけでなく、中心の位置にも、実は「絶対に正しい世界地図」は存在しない、ということが伝わってくる興味深いポイントです。
地図に隠された、もう1つの工夫
もう1つ、意外と知られていない豆知識として、南極大陸の描かれ方があります。
メルカトル図法では、理論上、北極点と南極点そのものを地図上に描くことができません。緯度が極限まで高くなると、拡大の度合いが無限に近づいてしまうためです。
そのため、多くの世界地図では、南極大陸の下の部分を実際の形よりも大きく引き伸ばして、地図の一番下の帯のように表現しています。世界地図の南極大陸が、実際の面積(約1,400万平方キロメートルとされる)よりもかなり幅広く見えるのは、このためです。
グリーンランドだけでなく、実は地図の端に描かれた南極大陸も、大きさの錯覚が起きやすい代表的な場所の1つなのです。
