海外にもある「洋と地元の味」の組み合わせ
外から来た食べ物に、自分の国ならではの味を組み合わせて新しいものを作る、という発想は、実は世界のあちこちで見られます。
あんぱんも、西洋から来たパンに、日本ならではのあんこと酒種を組み合わせた、いわば和洋折衷の代表例です。この発想は、のちにジャムパンやクリームパン、カレーパンといった、日本独自の菓子パン・惣菜パンの流れにもつながっていったと考えられています。
ひとつの成功例が、その後の新しい発想の土台になっていく。あんぱんは、まさにそうした流れの出発点だったといえそうです。
時代が進むにつれて、パンの立ち位置そのものも大きく変わっていきました。
時代によって変わったパンの位置づけ
文明開化のころ、パンはまだ一部の人が口にする珍しい食べ物でした。それが、あんぱんの登場をきっかけに、少しずつ庶民の間にも広がっていきます。
現在ではパンはコンビニやスーパーでも当たり前に手に入る、生活に欠かせない食べ物のひとつになっています。この普及の背景には、あんぱんのように日本人の好みに合わせて工夫された商品が、大きな役割を果たしてきたと考えられます。
珍しい食べ物から、当たり前の食べ物へ。この大きな変化のきっかけとなった出来事に、そろそろ触れていきましょう。
その前に、ひとつよくある誤解を解いておきたいと思います。
