パンが日本で売れなかった… 明治7年「あんパン」が変えた常識

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桜の花びらに込められた季節の演出

お花見の場にふさわしいあんぱんを作るため、木村親子は奈良の吉野山から八重桜の花びらを取り寄せたと伝えられています。この花びらを塩漬けにして、あんぱんの真ん中のくぼみに埋め込みました。

桜は日本を象徴する花のひとつです。季節感をたっぷりと感じられるこの一手間が、献上にふさわしい一品を仕上げる決め手になったといわれています。

酒種の生地とあんこの甘み、そして塩気のある桜の花びら。この組み合わせで、木村親子は「この味なら自信を持って献上できる」と確信したと伝えられています。

ただし、このあたりの逸話については、史実と語り継がれてきた話とが入り混じっている部分もあります。次のページで、その点を整理しておきましょう。

気をつけたい、史実と伝承の境目

あんぱんの誕生から献上までの物語には、会話のやり取りなど、細かい部分まで語り継がれているエピソードがたくさんあります。

ただし、こうした細かなやり取りの多くは、木村屋の社史や、のちの時代に書かれた本などを通じて語り継がれてきたものです。実際にその場で交わされた言葉そのものかどうかまでは、確認できない部分もあります。

一方で、木村屋という店が実在し、明治8年に天皇へあんぱんが献上されたという出来事そのものは、複数の記録から確認できる事実です。

この「献上」という出来事は、実は正確な日付までしっかりと記録に残されています。次のページで見ていきましょう。

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この記事を書いた人

「知ってよかった。誰かに話したくなる。」を合言葉に、暮らし・歴史・言葉・お金・身体・食べ物など、身近だけど意外と知らない雑学を日々調査してお届けしているBest For Youの編集チームです。難しいテーマもわかりやすく、読み終わった後につい誰かに話したくなるような記事づくりを心がけています。