財務省が示している「上限がある理由」
なぜ硬貨だけに上限があるのか。この点については、財務省が公式サイトのよくある質問の中で理由を説明しています。
その説明によると、硬貨は少額の取引には向いているものの、あまりに多く使われると保管や計算に手間がかかり、社会の常識に照らして不便になるため、上限を設けているとのことです。
つまり、上限は「お金の価値が低いから」ではなく、「扱うのが大変だから」という現実的な理由で作られています。硬貨そのものに問題があるわけではない、という点は押さえておきたいところです。
この理屈は、お店側の立場に立ってみると納得しやすくなります。実際にどれくらいの手間になるのか、数字にしてみましょう。
硬貨100枚を数えると、レジは何分止まるか
手で硬貨を数える速さを、仮に1枚あたり1秒としてみます。あくまで目安の計算ですが、100枚なら1分40秒、200枚なら3分20秒かかる計算になります。
実際には、数え間違いがあれば最初からやり直しです。金額が合わなければ二度、三度と数え直すことになり、時間はさらに伸びます。
その間、後ろに並んでいるお客さんは待つことになります。1人あたりの会計が1分程度だとすれば、100枚を数えるだけで2人分の会計時間が消えてしまう計算です。混み合う時間帯なら、影響はもっと大きくなります。
しかも近年は、この「硬貨を数える手間」が、お店にとって時間だけでなくお金の負担にもなってきました。次のページでは、銀行の窓口で起きている変化を追いかけます。
