世界の記録に見る、他の短い戦いたち
あらためて世界に目を向けると、短時間で決着した軍事的な出来事は、他にもいくつか記録されています。すでに触れた「六日戦争」や「サッカー戦争」もその一例です。また、時代をさかのぼれば、局地的な衝突の中には、数時間から半日程度で決着がついたとされる戦いも複数記録されています。
ただし、そのほとんどは「分」単位ではなく「時間」や「日」単位で語られるものです。正式な最後通告があり、開始と終了の時刻が分単位で記録されていて、なおかつ国家同士の交戦とみなされている、という条件をすべて満たす例は、世界的に見てもかなり珍しいとされています。この点が、1896年のザンジバルの戦いが、今なお「世界最短」として語り継がれている大きな理由になっています。
ザンジバルは今、どうなっているのでしょうか
最後に、現在のザンジバルについても触れておきましょう。戦いの舞台となった宮殿の跡地は、その後長い年月を経て、現在は博物館や公園として整備されている場所もあります。ザンジバルは今、美しいビーチと歴史あるストーンタウンと呼ばれる旧市街を持つ、人気の観光地として知られています。
スパイスの島としての伝統も今なお受け継がれており、丁子農園を巡るツアーなども観光客に人気があります。1964年には、ザンジバルは大きな革命を経て、隣接するタンガニーカと合併し、現在のタンザニアという国が誕生しました。かつて王様の宮殿が砲撃を受けた場所が、今では多くの旅行者でにぎわう観光地になっている、というのも、歴史の面白いめぐり合わせといえるかもしれません。
