戦争が残した本当に大きな変化
この戦い自体は38分で終わりましたが、その後のザンジバルには、もっと大きな変化が訪れます。イギリスはハーリドを退けたのち、あらかじめ候補としていたハムード・ビン・ムハンマドという人物を、新しい王として即位させました。ハムードはイギリスに対して協力的な姿勢を取り続けた人物とされています。
そして即位から半年余りが過ぎた1897年4月6日、ハムードはイギリスの強い後押しを受けて、ザンジバルにおける奴隷制度を法律上廃止する布告を出しました。これは、長い間東アフリカの奴隷貿易の中心地であり続けたザンジバルにとって、歴史的な転換点になった出来事です。わずか38分の戦いが、間接的にではありますが、こうした大きな社会の変化につながったことになります。
それでも残ってしまった課題
ただし、この1897年の布告によって、すべての問題が一気に解決したわけではありません。布告では、それまで正式に所有されていた奴隷を解放する一方で、それまでの所有者に対しては補償金が支払われる仕組みが取られました。また、家庭内で「側室」として扱われていた女性たちについては、この時点ではまだ対象から外されていたとされています。
この点が完全に見直されるまでには、さらに10年以上の時間がかかったと伝えられています。制度としての奴隷制は廃止されても、実際の生活の中では、経済的な理由から元の主人のもとで働き続けざるを得なかった人も多かったとされています。ひとつの布告だけで、長年続いた仕組みをすべて変えることの難しさが、ここにもよく表れています。
