もし放置したら、体の中で何が起きるのか
もし、この病気を治療せずに放置してしまったら、体の中では何が起きるのでしょうか。呼吸が止まるたびに、体は酸素不足の状態に陥ります。
数秒から数十秒の間、低酸素の状態と、呼吸が戻って酸素が回復する状態が、一晩のうちに何度も繰り返されます。この繰り返しによって、体は常に緊急事態のような状態にさらされ続けます。
本来、眠っている間は体を休ませ回復させる時間のはずですが、その機能がうまく働かなくなってしまうのです。睡眠の質が下がることで、日中の強い眠気や集中力の低下にもつながっていきます。
血中の酸素濃度が「エベレスト山頂級」になることも
重症の患者さんの血液中の酸素濃度について、興味深い例えがあります。重症のこの病気の患者さんの血中酸素飽和度は、酸素の薄いエベレスト山頂にいるときと同じくらいまで下がることがあるとも言われています。
通常、健康な人の血中酸素飽和度は96%以上とされていますが、無呼吸の最中には90%を下回ることも珍しくありません。わずか数%の差のように見えますが、これは医療的には「呼吸不全」と呼ばれる状態に近く、本来であれば酸素吸入が必要になるレベルです。
これが毎晩のように繰り返されているとしたら、体への負担の大きさが想像できるのではないでしょうか。次のページでは、専門家がこの病気の危険性についてどのように説明しているのか、詳しく紹介します。
