なぜ「寝つきの良さ」にだまされやすいのか
人は、眠っている間の自分の状態を、自分で正確に把握することができません。目が覚めていたかどうかは覚えていても、眠りが深かったか浅かったかまでは、体感だけでは分からないのです。
そのため「すぐに眠れた」という記憶だけが強く残り、「その後の眠りが浅かった」という事実には、なかなか気づけません。これが、寝酒に対する評価が甘くなりやすい、大きな理由の一つです。
実は、この「体感と実際のズレ」は、睡眠を語るうえで非常によく出てくるテーマでもあります。
睡眠の「質」を測るとはどういうことか
睡眠の研究では、脳の活動や体の動きを機器で記録することで、眠りの深さや、途中で目が覚めた回数を客観的に調べます。人の記憶や感覚だけに頼っていては分からない部分を、数値として確認できるのが特徴です。
こうした調査によって、「本人は熟睡したと思っていても、実際には夜中に何度も目が覚めていた」というケースが、これまで数多く明らかにされてきました。寝酒に関する研究の多くも、こうした方法で行われています。
感覚と実際にズレが出るのは、日本人に限った話ではありません。次のページでは、海外での寝酒の扱われ方や、時代による違いを見ていきます。
