生物学者が語る「進化の中で残った理由」
生物学や動物行動学の専門家の間では、ゴロゴロがここまで多くの場面で使われるようになった理由について、一つの共通した見方が語られることがあります。それは、この行動が生き延びるうえで役立つ性質を持っていたから、というものです。
子猫が母猫とつながるための合図として生まれ、その後、自分を落ち着かせる仕組みとしても機能するようになり、さらには体の回復を助ける可能性まで持つようになった。もしこれが本当だとすれば、ゴロゴロは進化の過程で、少しずつ役割を広げてきた行動だといえそうです。
一つの行動が複数の役割を兼ねるというのは、動物の世界では珍しいことではありません。限られた体の仕組みを、状況に応じて使い回すことは、効率よく生き延びるための知恵とも考えられます。
この考え方は、家猫だけでなく、ゴロゴロを鳴らせるほかの野生の猫科動物にも当てはまるかもしれません。
オセロットやチーターにも共通する行動
先ほど紹介したように、ゴロゴロを鳴らせるのは家猫だけではありません。チーターやオセロット、オオヤマネコといった野生の猫科動物も、同じようにゴロゴロを鳴らすことが知られています。
これらの動物も、母親と子の関係の中でゴロゴロを使い、成長してからも自分を落ち着かせる場面で同じ音を鳴らすと考えられています。家猫だけの特別な行動ではなく、ゴロゴロを鳴らせる猫科動物に広く共通する性質だといえそうです。
野生の厳しい環境で暮らすこれらの動物にとっても、体を落ち着かせ、時には痛みをやわらげる行動は、生き延びるうえで大きな意味を持っていたのかもしれません。
人間との暮らしの中でも、このゴロゴロは特別な役割を果たしてきたようです。
