ゴロゴロ音は「25〜150ヘルツ」という低い振動
猫のゴロゴロ音は、およそ25〜150ヘルツという低い周波数の振動だと一般に言われています。ヘルツというのは、1秒間に何回振動するかを表す単位で、数字が小さいほど低くこもった音になります。
この範囲は、リラックスしているときも、体調が悪いときも、大きくは変わらないとされています。つまり音の高さだけを聞き分けて「これは元気なゴロゴロ」「これは苦しいゴロゴロ」と判断するのは、実はかなり難しいことなのです。
ただし場面によって強弱やリズムに違いが出ることはあるといわれており、なでられて満足しているときは、ゆったりとしたリズムになりやすい傾向があるようです。
この不思議な音を、猫はどうやって作り出しているのでしょうか。実は長い間、その仕組みはきちんと解明されていませんでした。
2023年、オーストリアの研究チームが仕組みを解明
これまでゴロゴロ音の仕組みについては「血液が渦を巻く音」「筋肉の収縮による」など、さまざまな説が唱えられてきました。ですが、はっきりとした答えは長い間出ていませんでした。
2023年、オーストリアのウィーン大学の研究チームが行った実験によって、新しい見方が示されました。猫の喉にある声帯の部分に、あたたかく湿った空気を流したところ、神経からの刺激がなくても、ゴロゴロという低い音が出たというのです。
この結果から、ゴロゴロ音は喉の奥にある「パッド」のような組織が、呼吸の空気の流れによって振動することで生まれている可能性が高いと考えられるようになりました。
つまりゴロゴロは、猫が意識してコントロールしている声というより、呼吸のたびに体の構造が自然と作り出している音に近いのかもしれません。次は、この音がいつ「機嫌がいいサイン」として広まったのか、その始まりを見ていきます。
