もしゴロゴロに一つの意味しかなかったら
ここでもう一度、想像してみましょう。もしゴロゴロという音が「うれしいとき」だけに限定された音だったとしたら、どうなっていたでしょうか。
おそらく、獣医師や研究者たちが診察台の上のゴロゴロを気にすることもなく、痛みのサインを見逃すきっかけにもならなかったでしょう。逆にいえば、ゴロゴロがいろいろな場面で使われているからこそ、飼い主にとって「注意して見るべき音」になっているとも言えます。
ゴロゴロという一つの音の中に、うれしさも、不安も、痛みも詰め込まれている。そう考えると、猫がいかに限られた表現方法を工夫して使いこなしているかが分かります。
音だけでなく、猫の全身をあわせて見ることの大切さは、ここまで何度も触れてきた通りです。
体全体のサインをあわせて見ることの大切さ
これまで紹介してきたように、猫の気持ちを知るためには、ゴロゴロという音だけでなく、しっぽ、耳、瞳孔、体の姿勢など、いくつものサインをあわせて見ることが欠かせません。
たとえば、なでられながらゴロゴロ鳴らしていても、体をこわばらせていたり、しっぽの先だけを小刻みに動かしていたりする場合は、実はそろそろ触られるのをやめてほしいサインかもしれません。
反対に、静かにゴロゴロと鳴らしながら体をゆったりと預けてきているときは、心から安心している状態だと考えられます。
ゴロゴロという一つの音だけで判断せず、全身の様子とあわせて見る。これが、猫の気持ちに近づくための一番のポイントだといえそうです。それでは次のページで、これまでの内容をふまえて、答えをまとめてお伝えします。
