「ゴロゴロ=リラックス」だけではなかった
ここまでの内容を整理すると、「ゴロゴロ=リラックスしているサイン」という理解だけでは、猫の気持ちを正しくとらえきれない場面があることが分かってきます。
くつろいでいるときのゴロゴロと、緊張やストレスを感じているときのゴロゴロ。どちらも同じ「ゴロゴロ」という音でありながら、猫の内側で起きていることはまったく違う場合があるのです。
これは決して珍しい話ではなく、犬が尻尾を振るしぐさが必ずしも喜びだけを意味しないのと、少し似ている部分があります。一つの仕草を、いろいろな感情のときに使い回している動物は、実は少なくないのかもしれません。
そして、この「使い回し」が最もはっきり表れるのが、猫が痛みを感じているときのゴロゴロだといわれています。
元動物看護師も語る「隠れた気持ち」としてのゴロゴロ
動物看護の現場を経験した専門家がメディアで語った内容として、ゴロゴロには甘え以外にも隠れた気持ちがあるという指摘があります。あくまで一つの経験に基づく見解として紹介されているものですが、示唆に富む内容です。
その中では、ケガや病気で体調がすぐれないときにも、猫は低めのゴロゴロ音を鳴らすことがあると述べられています。はっきりとした理由はまだ分かっていないものの、ゴロゴロ音が体の中の「エンドルフィン」というホルモンと関係しているのではないか、という推測が紹介されています。
エンドルフィンは、痛みをやわらげる働きを持つホルモンで、「脳内で作られる鎮痛物質」のようなものだと説明されることがあります。ゴロゴロを鳴らすことでこのホルモンの分泌が促されているのか、それとも分泌された結果としてゴロゴロが出るのか、その順番はまだ解明されていないそうです。
痛みとゴロゴロがここまで深く関わっているとなると、猫の体には、もっと大きな秘密が隠されているのかもしれません。
