ウサギの実験で分かった振動と骨の関係
ゴロゴロの周波数である25〜150ヘルツという数字には、実はもう一つ興味深い背景があります。骨折したウサギに機械的な振動を与える実験を行ったところ、骨の治癒が早まり、骨の強度がおよそ20〜30パーセント上昇したという報告があるのです。
このとき最も効果が高かったとされる周波数は、25〜100ヘルツほどとされています。猫のゴロゴロの周波数が、ちょうどこの範囲に含まれることから、両者を結びつけて考える研究者がいるというわけです。
もちろんウサギの実験結果がそのまま猫にも当てはまると確定しているわけではありません。ただ、振動と骨の治癒に関係があること自体は、複数の研究で示されている事実です。
この振動と骨の関係について、猫を対象にした興味深い仮説を唱えている研究者がいます。
カリフォルニア大学の研究者が立てた「自己治癒」の仮説
アメリカのカリフォルニア大学デービス校の研究者であるレスリー・A・ライオンズ氏は、ゴロゴロが骨の中にある細胞を刺激し、骨密度を保つ役割を果たしているのではないか、という仮説を示したとされています。
これは、猫のゴロゴロが発する低い周波数の振動が骨に圧力として伝わり、骨の成長や骨折の治癒を後押ししている可能性がある、という考え方です。ただし、この見方はあくまで仮説の段階にとどまっており、猫を使った直接的な実証はまだされていません。
猫が高いところから飛び降りても骨折しにくいことや、あまり運動をしない室内猫でも骨が丈夫であることが多い理由の一つに、このゴロゴロが関わっているのではないか、という見方もあります。
体を落ち着かせるだけでなく、体そのものを守っているかもしれないゴロゴロ。その働きは、心の面にも及んでいる可能性があります。
