ゴール直前に力尽きた、イタリア人ランナーのドラマ
1908年のロンドン大会のマラソンでは、今も語り継がれる有名なドラマがありました。イタリアのドランド・ピエトリという選手が、真っ先に競技場へ姿を現したのです。
ところが、長い距離を走り続けた疲労からか、ピエトリはゴール直前で何度も転倒してしまいます。それでも立ち上がろうとする姿に、観客席からは大きな声援が送られたと伝えられています。
見かねた係員がピエトリに手を貸し、最終的に彼は一着でゴールラインを越えました。しかし、この「係員の助け」が大きな問題となり、ピエトリはのちに失格となってしまいます。
実はこのドラマの背景には、コースの距離が予想以上に長くなっていたことも関係していたとされています。次のページでは、いよいよその「距離が長くなった理由」の核心に迫ります。
この逸話を読むときに、気をつけたいポイント
ここまで紹介してきたドランド・ピエトリのドラマは、スポーツの歴史でも特に有名なエピソードの一つです。ただし、当時の細かい状況については、資料によって描かれ方に多少の違いがある点には注意が必要です。
例えば、なぜピエトリが何度も転倒したのか、その原因については、暑さによる体力の消耗、長くなったコース、当日の緊張感など、複数の要因が組み合わさった結果だと考えられています。
一つの原因だけに決めつけず、「複数の事情が重なって起きたドラマだった」と捉えるのが、実態に近い見方だといえそうです。
さて、いよいよここからが本題です。次のページで、42.195キロという距離がどのようにして生まれたのか、その核心をお伝えします。
