なぜ5円玉が先に穴があいたのでしょうか
5円玉に穴があいたのは1949年(昭和24年)のことです。きっかけは、同じ年に生まれたばかりの1円玉でした。当時の1円玉は、5円玉と同じ黄銅(銅と亜鉛の合金)で作られており、色も大きさもよく似ていました。財布の中でぱっと見ただけでは区別しにくい状態だったのです。
とくに視覚に頼れない場面では、なおさら見分けがつきにくかったと考えられます。そこで翌年、5円玉のほうに穴をあけることで、はっきりと区別できるようにしたのです。これが、日本で初めて登場した有孔貨幣です。では、実際にどんな困りごとが起きていたのでしょうか。
見た目が似ている硬貨が引き起こす困りごと
硬貨の色や大きさが似ていると、支払いのときにうっかり間違えて渡してしまう心配があります。レジでの計算ミスにもつながりかねません。また、目の不自由な方にとっては、色よりも手触りや形が大切な手がかりになります。同じような大きさ、同じような素材の硬貨が並んでいると、触っただけでは区別が難しくなってしまいます。
こうした点を気をつけるべきポイントとして踏まえると、5円玉に穴をあける判断には、多くの人にとっての使いやすさを考えた工夫がうかがえます。次のページでは、この1円玉と5円玉の関係を、もう少し詳しく振り返ります。
