鏡文字を読みこなす人たちの存在
先ほど紹介したレオナルド・ダ・ヴィンチのほかにも、鏡文字をすらすらと読み書きできる人は、世の中にわずかながら存在するといわれています。
空間を認識する力にすぐれている人ほど、鏡文字への違和感が少ない、という見方をする専門家もいます。あくまで一般的にいわれている傾向であり、必ずしも全員に当てはまるわけではありません。
子どものころ、文字の練習を始めたばかりの時期に、鏡文字のように左右が反対の文字を書いてしまうことがあります。これは発達の過程でよく見られる現象で、多くの場合は成長とともに自然になくなっていきます。
文字の反転は、私たちが「覚えている形」と「目の前の形」を比べることから生まれます。この比べ方の違いは、海外でも共通してみられるのでしょうか。次の見出しで見てみましょう。
英語圏にもある「鏡文字」への関心
英語には「mirror writing」という言葉があり、鏡文字は海外でも古くから知られている現象です。日本だけの珍しい話ではありません。
英語圏の子ども向けの科学の本などでも、鏡と文字の反転を取り上げたクイズやなぞなぞがよく紹介されています。国や言語が違っても、多くの人が同じように鏡文字を不思議に感じるようです。
言語や文化が違っても、鏡に対する感じ方には共通する部分が多い、というのは興味深い事実です。人間の脳の働き方には、国を越えた共通点があるのかもしれません。
ここまで文字の反転について見てきましたが、次は「左右」という言葉そのものに目を向けてみます。
