「感じ方は誰でも同じ」という思い込み
もう一つ、よくある勘違いを紹介します。それは「鏡の見え方は、誰にとっても同じはずだ」という思い込みです。
これまで紹介してきたとおり、実際には、視点の入れ替えをするかどうかによって、同じ鏡を見ても感じ方が変わってきます。左右が逆に見える人もいれば、そう感じない人もいるのです。
これは、目の良し悪しや年齢の問題ではなく、頭の中で無意識に行っている視点の切り替え方の違いによるものだと考えられています。
この個人差を確かめるために行われたのが、腕時計を使った実験です。次の見出しで、その実験の具体的な内容を紹介します。
腕時計を使った実験の中身
実験では、左手に腕時計をつけた人に鏡の前に立ってもらい、実物の時計と、鏡に映った時計、それぞれについて「右にあるか、左にあるか」を答えてもらいました。
「左右が反対になっている」と感じる人は、実物の時計は自分の視点で「左」と答える一方、鏡に映った時計については、鏡の中の人物の視点に立って「右」と答える傾向がありました。
逆に「左右は反対になっていない」と感じる人は、鏡に映った時計についても、自分自身の視点のまま「左」と答えていました。実物も鏡の中も同じ「左」なので、反対になったとは感じないわけです。
この実験結果は、鏡そのものではなく、私たちの判断のしかたが、左右の錯覚を生み出していることをはっきりと示しています。次のページで、いよいよこの記事の答えをお伝えします。
