昭和の非常口は「漢字3文字」だった、緑の人に置き換わったきっかけは218人の犠牲?

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「足先に影をつけて」というひと言の重さ

1点が決まったあと、「入選作にあった足先の影を入れてほしい」という条件が付け加えられました。走っている人のつま先のあたりに、切れ込みのような余白を入れるという指示です。

ところが、これが簡単ではありませんでした。太田さんの説明では、そのまま足先に影を入れると、左側にある壁の影と近づきすぎてしまいます。足の角度だけを変えると、今度は全体の釣り合いが崩れます。結局、人の全身を少しずつ調整し直して、今の形にたどり着きました。

今あらためて非常口マークを見ると、走る人のつま先の下に、小さなすき間があります。あれは絵の飾りではありません。足が地面から離れて前に出ている、つまり歩いているのではなく進んでいる、と伝えるための線です。

この「動きの見せ方」には、もう一つ意図があると言われています。走っているのに、慌てて見えない形になっているのです。

全力疾走に見せない、という工夫

非常口マークの人は、扉から外へ出ていく途中の姿です。ただ、陸上選手のように前に大きく傾いてはいません。背筋はほぼまっすぐで、腕もそれほど振っていません。

この点について広く言われているのは、「速く、しかし落ち着いて動いてほしい」というメッセージだという説明です。海外の紹介記事でも、全力で駆け抜けるのではなく、着実に、静かに進んでいるように見える点が評価されています。

火事や地震のときにいちばん怖いのは、人が慌てて出口に殺到することです。もし看板の人が必死の顔で全力疾走していたら、見た人の不安をあおるかもしれません。急がせるけれど、あおらない。その線引きが、あの姿勢に表れているという見方です。

形が決まると、次は色です。非常口が緑である理由には、じつは色の仕組みに基づいた説明があります。

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この記事を書いた人

「知ってよかった。誰かに話したくなる。」を合言葉に、暮らし・歴史・言葉・お金・身体・食べ物など、身近だけど意外と知らない雑学を日々調査してお届けしているBest For Youの編集チームです。難しいテーマもわかりやすく、読み終わった後につい誰かに話したくなるような記事づくりを心がけています。