走る人の向きは、左が基本です
非常口マークの人が左を向いているか、右を向いているか。気にしたことがない方も多いと思いますが、これは適当に決まっているわけではありません。
国際規格では左向きと右向きの両方が登録されていて、どちらを使っても構いません。ただし基本は左向きとされ、左右どちらにも避難できる場所、つまり矢印が両側に出ている看板では左向きが使われます。
導入されたばかりの昭和の時代には、右向きの矢印がついているのに人は左を向いている、という組み合わせもありました。方向が食い違って分かりにくいという指摘を受け、その後は逃げるべき方向に人が向いた形も作られました。古い建物で妙な組み合わせを見かけたら、それは初期のものかもしれません。
ちなみに、この走る人には人々がつけた呼び名があります。
あの人の愛称は「ピクトさん」
非常口の走る人は、防災関係や絵の表示に詳しい人たちの間で「ピクトさん」「ピクトくん」と呼ばれることがあります。これは法律で決まった名前ではなく、広まった愛称です。
名前のもとになった「ピクトグラム」は、絵で意味を伝える記号のことです。日本語では「絵文字」「絵単語」と呼ばれることもあります。トイレ、階段、エレベーター、車いすの表示など、身のまわりにたくさんあります。
この呼び名が定着したこと自体、非常口マークが単なる標識を超えて親しまれている証拠だといえます。イラストやパロディの題材にされることも多く、防災設備の表示としてはかなり異例の人気です。
その一方で、この誘導灯には「消してもよい場合がある」という、あまり知られていない決まりが存在します。
