答え:消費税を国に納めるのは「お店」。私たちが払う分は”値段の一部”
消費税法の第5条には、「事業者は、国内において行つた課税資産の譲渡等…につき、この法律により、消費税を納める義務がある」と書かれています。つまり、消費税を国に納める義務を負っているのは、私たち消費者ではなく、お店などの「事業者」なのです。
そして1990年3月26日の東京地裁判決は、「消費者は、消費税の実質的負担者ではあるが、消費税の納税義務者であるとは到底いえない」と述べました。
さらに判決は、消費者が事業者に払う消費税分は「あくまで商品や役務の提供に対する対価の一部としての性格しか有しない」とし、事業者がその分を過不足なく国に納める義務を、消費者との関係で負うものではない、と判断しています。
つまり、私たちがレジで払う”消費税”は、法律上は商品の値段の一部。だからこそ、その全額がそのまま国に届くとは限らないのです。
だから、売上1,000万円以下の事業者は消費税を納めなくてもいい
消費税法では、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、原則として消費税を納める義務が免除されます。これを「免税事業者」といいます。
免税事業者のお店で買い物をしても、私たちが払う値段には、消費税相当分が含まれていることがあります。国税庁は、免税事業者が仕入れのときに負担した消費税相当額を取引価格に上乗せして請求することは「適正な転嫁として、何ら問題はありません」としています。
免税事業者も、仕入れのときには消費税を払っているため、その分を値段に反映させるのは当然のことです。ただ、財務省は、免税事業者がその負担分を超えて上乗せした場合にのみ、いわゆる「益税」の問題が生じると説明しています。
法律の仕組みの中で、私たちが払った”消費税”の一部が国に届かないことがある。その正体は、消費税が「値段の一部」であるという、この法律の考え方にあったのです。
