Google「Nexus Q」
2012年、Googleは球形のメディア端末「Nexus Q」を発表しました。音楽や映像をテレビやスピーカーへ送るための機器で、Googleが初めて本格的に自社ブランドで販売しようとしたハードの一つでした。見た目が非常に特徴的で、価格は299ドル。Google I/Oでは開発者へ先行して配布されました。
ところが一般向け発売を前に、Googleは販売を延期しました。予約した人には製品を無料で送る対応が取られ、「初期の利用者から、もっと多くのことができてほしいという声があった」と説明されています。つまりNexus Qは、発売後に失敗したというより、一般販売へ本格移行する前に止まった珍しい例です。
Nexus Qは、Google I/Oで先に注目を集めたにもかかわらず、一般消費者へ広げる前に延期されました。開発者や技術に詳しい人には面白くても、普通の家庭が299ドルを払うかは別問題です。商品の評価を決める人が誰なのかによって、必要な機能も価格も変わります。そこを発売前に見極めることが難しかったといえます。
一般発売前に延期された球体端末
Nexus Qの分かりにくさは、価格と機能の組み合わせにありました。当時はApple TVやRokuなど、テレビにつないで映像を見るための機器がすでに存在していました。その中で299ドルという価格を払うなら、何が特別なのかが明確である必要があります。
Nexus Qは見た目こそ印象的でしたが、初期状態ではAndroid端末を中心に使う設計で、対応範囲も限られていました。Googleはその後、Qを一般販売せず、技術や考え方を別の製品へつなげていきました。新しい商品ほど、「目を引くこと」と「毎日使う理由」の両方が求められるのです。
予約者へ無料で送る対応が取られたことも、Nexus Qの異例さを物語ります。発売延期は通常なら残念なニュースですが、予約者への配慮によって試作品を使ってもらう場としての意味が残りました。新商品では、正式発売を無理に続けるより、反応を集めて作り直す判断が必要になることがあります。次はGoogleのNexus Qです。こちらは一般発売後ではなく、発売そのものを止める判断へ進んだ珍しい例です。
