Google「Glass」Explorer Edition
Google Glassは、眼鏡のように身につけて情報を見られる端末として大きな注目を集めました。2012年のGoogle I/Oでは開発者向けの「Explorer Edition」が1500ドルで予約受付され、2013年には限られた利用者への出荷が始まりました。写真撮影や音声操作など、スマートフォンとは違う使い方が期待された製品です。
ただし、ここには重要な注意点があります。Explorer Editionは完成した一般向け商品ではなく、試験的な端末でした。2015年1月19日、GoogleはExplorer Editionの販売を終了しました。Googleは当時、Glassそのものの開発を続ける方針を示していましたが、一般消費者向けの製品として一気に普及する段階には進みませんでした。
Glassは発表された時点で未来的な映像が強く印象に残り、技術そのものがニュースになりました。ただ、一般消費者が普段の生活で使うには、スマートフォンとは違う配慮が必要です。目の前で情報を見ること、カメラを向けること、身につけたまま会話することなど、新しい使い方には新しいルールも伴います。
1500ドルの未来型メガネが一般商品にならなかった理由
Glassが抱えた難しさは、技術の問題だけではありません。眼鏡型端末は、スマートフォンより常に身につける前提になります。カメラで周囲を撮影できることも、便利さと同時に「相手はどう感じるか」という新しい問題を生みます。価格も1500ドルと、気軽に試せる金額ではありませんでした。
Googleは後にGlassを企業向けなどへ展開し、技術の使い道を変えていきました。つまり、消費者向けで広がらなかったことと、技術自体に価値がなかったことは同じではありません。誰に売るのかを変えることで、同じ技術が別の市場で生きることがあります。次は、Microsoftがタブレット市場で経験した在庫問題です。
さらに1500ドルという価格は、一般向けの普及を試すには高い水準でした。Googleは最終的に企業向けなどへ方向を変えました。これは、ある技術が一般消費者には広がらなくても、仕事の現場など別の場所なら価値を発揮する可能性があることを示します。失敗という言葉だけでは、その後の技術の行方まで捉えきれません。次はGoogle Glassです。未来を感じさせる技術が注目を集めても、一般の商品として普及するには別の壁がありました。
