発売前の期待だけでは売れない
新商品は、発売前から大きく宣伝されるほど注目を集めます。しかし、話題になったことと、実際に長く売れることは同じではありません。世界的な企業でも、発売からわずかな期間で販売を終えたり、予定していた事業を縮小したりした例があります。なかには、発売から49日で販売終了を決めた商品までありました。
ここで大切なのは、「売れなかった=商品そのものが悪かった」と単純に決めつけないことです。価格、競合商品、使い方、時代の流れ、売り場まで、結果を左右する要素は複数あります。この記事では、発売後の展開が早く変わった20の事例を通して、その差を見ていきます。
発売前の宣伝が大きいほど、消費者の期待も具体的になります。ところが、その期待は「新しいものが欲しい」という意味とは限りません。今まで使っていた便利さを保ったまま、さらに良くなってほしいという期待もあります。この違いを見落とすと、注目度の高さがそのまま購入につながらないことがあります。
「短期間」の基準は一つではない
本記事では、発売後まもなく姿を消した商品を中心に、数年以内に終了したサービスや、一般販売まで進まず止まった例も含めています。たとえば米国のNew Cokeは1985年4月に登場し、同年7月に従来の味が復活しました。期間は79日です。これは「短期間」の分かりやすい例でしょう。
一方、Google Glassのように、一般向けの完成品として正式発売されたわけではないものもあります。そのため、「発売直後に大コケ」という言葉は記事全体をまとめる表現として使い、各事例の終了時期や販売方法はそれぞれ区別します。まずは、飲み物という身近な商品から見てみましょう。
また、短期間で終わったかどうかを日数だけで比べるのも注意が必要です。試験販売だけで終わった商品と、全国販売した後に撤退した商品では、企業が負った負担も消費者の接触機会も違います。そこで今回は、期間の短さだけを順位にせず、「なぜ期待と結果に差が出たのか」を見るための20事例として扱います。次のページでは、まず長年親しまれた味を変えたコカ・コーラで、調査結果と消費者の反応が食い違った理由を見ていきます。
