犬から骨を取り返すため銃を「棒」にした男性、誤発砲で腹部を撃たれ死亡
2008年2月、米国ニューヨーク州で鳥猟をしていた50歳の男性は、愛犬がくわえてきた鹿の骨を取り上げようとしていました。犬がなかなか離さない。ここで普通なら、手で取る、別の物を使う、犬を呼ぶなど方法はいくらでもあります。ところが男性が選んだのは、弾の入った散弾銃を銃口側から持ち、棒のように振って犬を追い払うことでした。
当然、銃は棒ではありません。男性が散弾銃を振ったところ、銃が地面にぶつかった衝撃で発砲。弾は男性自身の腹部に命中しました。男性は病院へ搬送されましたが、腹部を撃たれた負傷が原因で死亡しました。犬の骨を取り返したいという目的は、最終的に自分の腹部へ散弾を撃ち込む行動へ変わってしまったのです。
しかも公式記録では、事故後の男性は意識があり、自分で警察に何が起きたか説明できました。だからこそ、「骨を取るために銃を棒にした」という流れまで残っています。最初の目的がどれほど小さくても、道具の使い方を一歩間違えると、結果だけはとんでもなく大きくなることが分かる事例です。
道具の用途を一瞬で変えると、危険が増します
この事例は「道具の意味を一瞬で入れ替えると危険」という教訓が分かりやすい例です。銃は狩猟の道具であって、犬を追う棒ではありません。普段から使っている物ほど、別用途に使っても大丈夫だろうと錯覚しやすいものです。その一瞬の勘違いが、取り返しのつかない結果につながりました。
もちろん実際の事故には多くの条件が重なっています。ただ、ダーウィン賞で繰り返し登場するのは、「最後の一歩だけ止めれば避けられたかもしれない」という構図です。だからこそ、話を読んだ側は驚きながらも、自分ならどこで立ち止まるかを考えられます。
「今だけ別の道具として使う」という発想は便利ですが、危険物には向きません。道具には、その形の裏に決められた使い方があります。普段から慣れている人ほど、つい手軽さを優先することがありますが、慣れと安全は同じではありません。
特に発射や発火につながる道具は、別の使い方へ置き換えないことが基本です。
