走行中の地下鉄の窓を足で割った男性、車外へ放り出され線路へ落下して死亡
2009年12月、ドイツのベルリンで22歳のヤシンさんが、走行中の地下鉄の窓を足で壊そうとしました。目的は、とにかく窓を割ること。手すりにつかまり、足を振ってガラスを蹴り、ついに窓を割ることには成功しました。ここで普通なら「割れたから終わり」です。ところが、本人にとって本当の問題はその直後でした。
窓が割れた瞬間、走行中の車内外の空気の流れが大きく変わり、ヤシンさんは車外へ持っていかれました。そのまま線路脇へ落下し、運転士が線路上で遺体を発見しています。つまり「窓を割る」という目的だけ達成して、その次の一瞬に自分の身体がどうなるかは考えていなかったわけです。
しかもこれは停車中の電車ではありません。列車が走っている以上、窓が開けば風圧や車内外の空気の流れが身体へ影響します。ガラスを一枚割るという悪ふざけが、そのまま車外転落という致命的な結果につながりました。「成功したと思った瞬間に本番が始まる」という、なんとも皮肉な事故です。
目的を達成したあとに何が起こるかが重要です
これは「一つ先の結果を想像する」ことの大切さを示します。危険な行動では、本人は最初の目的だけを見てしまいがちです。しかし、物を壊したら何が動くのか、何が飛ぶのか、どこへ落ちるのかまで考える必要があります。最初の一手が成功したとしても、その成功が次の危険を生むことは珍しくありません。
もちろん実際の事故には多くの条件が重なっています。ただ、ダーウィン賞で繰り返し登場するのは、「最後の一歩だけ止めれば避けられたかもしれない」という構図です。だからこそ、話を読んだ側は驚きながらも、自分ならどこで立ち止まるかを考えられます。
破壊行為では、成功した瞬間が安全とは限りません。むしろ成功によって穴が開く、部品が外れる、風が入るなど、次の現象が始まることがあります。目的を達成したあとまで想像できるかどうかが、危険回避の分かれ目になります。
「成功したら終わり」ではなく、その成功によって次の危険が始まらないかまで考えることがポイントです。
