「弱っている熊なら大丈夫」と近づいた男性、襲われてその場で死亡
2018年5月、インドのオディシャ州で、結婚式から帰宅していたプラブ・バタラさんが、道路脇で負傷しているように見える熊を見つけました。ここで多くの人なら距離を取ります。ところが男性は、助けを呼ぶより先に「自撮り写真を撮ろう」と考え、熊のすぐ近くまで近づきました。周囲から止められても接近を続けています。
すると熊が突然襲いかかり、男性を地面へ押さえつけて攻撃。男性はその場で死亡しました。現場では同行者が携帯電話で様子を撮影しており、あとから映像も残されています。森林当局者は、男性が熊に襲われ、その場で死亡したと説明しています。弱っているように見えた動物へ、さらに距離を詰めた結果でした。
この事例の「なぜそこまで近づく?」感はかなり強烈です。自撮りなら、遠くからでも撮れます。しかも相手は野生動物です。人間から見て「動きが鈍い」「弱っている」に見えても、次の瞬間に何をするかは読めません。写真一枚のために安全距離を自分から消してしまったことが、決定的な一手になりました。
「撮れる」と「近づいていい」は同じではありません
自撮り文化が広がると、「珍しいものを見つけたら近づいて撮る」という行動が生まれやすくなります。しかし野生動物は、写真を撮られるためにそこにいるわけではありません。相手が弱っているように見えるときほど、実際には警戒している可能性があります。「撮れる」ことと「近づいていい」ことは別物です。
もちろん実際の事故には多くの条件が重なっています。ただ、ダーウィン賞で繰り返し登場するのは、「最後の一歩だけ止めれば避けられたかもしれない」という構図です。だからこそ、話を読んだ側は驚きながらも、自分ならどこで立ち止まるかを考えられます。
負傷している動物ほど、普段より予測しにくい行動を取ることがあります。弱っているから安全とは限りません。むしろ驚かせれば防衛行動が強まることもあります。自然の中では、きれいな写真を撮ることより、動物との距離を保つことのほうが優先されます。
野生動物の近くでは、撮影者の意図より動物側の警戒心を優先して考える必要があります。
