「点火の瞬間を至近距離で確認」した男性、発射された花火が頭部を直撃して死亡
2007年1月、オランダで36歳のセルジュさんは、大型の違法な業務用花火を点火しようとしていました。ここで普通なら、まず距離を取ります。ところがセルジュさんが選んだのは、花火のすぐ上に頭を置くような姿勢で、電子式の点火装置へ炎を近づける方法でした。つまり、爆発物の発射口の真上で「さあ点けます」という状態です。
そして点火した瞬間、花火が想定以上の速さで作動して上空へ発射。逃げる暇もなく、打ち上がるはずの花火がセルジュさんの頭部を直撃しました。セルジュさんは頭部への致命的な衝撃を受け、死亡しています。事故の原因は花火を見ていたことではなく、発射されるものの進路上に自分の頭を置いたことでした。
しかも電子式の点火装置は、炎を近づけて様子を見るための道具ではありませんでした。「火がつくかな?」を顔のすぐ近くで確認する必要など、どこにもなかったわけです。花火を楽しむための数秒が、人生最後の数秒になってしまったという、なんとも皮肉な一件です。
安全距離を忘れると、華やかさが一変します
花火は見る側には華やかですが、点火する側には別の顔があります。点火方式や安全距離を知らないまま、昔の感覚だけで扱うと危険です。公式サイトはこの種の事故が繰り返されるとも指摘しています。毎年のように似た話が出るからこそ、個人の奇抜さだけではなく、「危険が身近すぎて慣れる」という人間の癖も見えてきます。
もちろん実際の事故には多くの条件が重なっています。ただ、ダーウィン賞で繰り返し登場するのは、「最後の一歩だけ止めれば避けられたかもしれない」という構図です。だからこそ、話を読んだ側は驚きながらも、自分ならどこで立ち止まるかを考えられます。
花火大会の観客なら安全距離を意識できても、実際に点火する側になると「早く始めたい」という気持ちが前に出ることがあります。準備と点火を別の作業として考えるだけでも、判断を落ち着かせやすくなります。
花火は点火した瞬間ではなく、点火前の立ち位置まで含めて安全を考える必要があります。
