10メートルの高さまでパレットを積んだ作業員、山が崩れて巻き込まれ死亡
2017年8月、日本の物流会社で40歳の作業員が、約10メートルの高さにある照明を交換するため、フォークリフトの上に木製パレットを大量に積みました。フォークリフトだけでは約2.5メートルしか届かない。そこで「足りない分をパレットで足せばいい」と考え、15センチほどのパレットを37枚重ねたと公式サイトは紹介しています。
当然ですが、37枚を積めば安全な足場になるわけではありません。作業員が上に乗り、同僚がフォークリフトを操作している最中、高く積み上げたパレットが崩れました。作業員は倒壊したパレットの山に巻き込まれ、死亡しました。必要な高さを計算することには成功しても、必要な安定性は一枚も足せていなかったわけです。
この事故の面白さは、発想が妙に「計算っぽい」ところです。2.5メートルでは足りない。15センチを37枚なら約5.5メートル。数字を足せば高さは増えます。でも、安全性は高さのように単純な足し算ではありません。むしろ積み上げるほど揺れやすくなり、上で作業する人の危険が増します。
高くするだけでは、高所作業は安全になりません
ここで面白いのは、計算そのものは間違っていないことです。2.5メートルに15センチを何枚か足せば10メートルに近づきます。しかし現場では、数字に加えて安定性という別の条件があります。つまり、正しい計算でも間違った使い方をすると危険になるのです。現実の作業では「高さ」だけでなく「安定して支えられるか」がセットで必要です。
もちろん実際の事故には多くの条件が重なっています。ただ、ダーウィン賞で繰り返し登場するのは、「最後の一歩だけ止めれば避けられたかもしれない」という構図です。だからこそ、話を読んだ側は驚きながらも、自分ならどこで立ち止まるかを考えられます。
高所作業には、人を安全に持ち上げるための専用設備があります。目的に合った機械を選ぶことは、遠回りに見えても結果として作業時間を安定させます。「今ある物だけで何とかする」という発想が役立つ場面もありますが、高所では特に限界を見極める必要があります。
