2本の配線を触って車を始動させた男性、動き出した車に巻き込まれて死亡
2014年2月、英国コービーで39歳のスコット・マッキミーさんは、改造した1998年型フォルクスワーゲンを、2本の配線を直接触れ合わせる方法で始動させていました。この日の問題は、サイドブレーキがかかっていなかったことです。配線を触った瞬間にエンジンがかかり、同時に車まで動き始めました。
スコットさんは車の前方で作業していたため、そのまま動き出した車に倒され、巻き込まれました。警察の再現では、車は1速だけでなく2速、3速でもアイドリング状態で動けることが確認されています。スコットさんは36か所の負傷を負い、その事故が原因で死亡しました。エンジンをかけること自体には成功したのに、「かかったあと車が勝手に動いたらどうするか」が完全に抜け落ちていたわけです。
独自の始動方法に慣れている人ほど、「いつものやり方だから大丈夫」と思いやすくなります。しかし車は、動き始めた瞬間から人を巻き込める重量物です。しかもサイドブレーキがなければ、エンジン始動と移動がほぼ同時に起こる可能性があります。便利な近道のつもりが、車そのものを凶器に変えてしまいました。
慣れた方法ほど、確認を省きやすくなります
この事例は、「自分が一番慣れているやり方」が危険の見落としにつながる例です。長く同じ車を触っていると、特殊な方法にも慣れてしまいます。しかし便利な近道は、別の条件が一つ変わるだけで危険になります。毎回同じ確認を省略しないことが、結局は一番の近道です。
もちろん実際の事故には多くの条件が重なっています。ただ、ダーウィン賞で繰り返し登場するのは、「最後の一歩だけ止めれば避けられたかもしれない」という構図です。だからこそ、話を読んだ側は驚きながらも、自分ならどこで立ち止まるかを考えられます。
手間を省く改造は、使う本人が慣れてくるほど危険に気づきにくくなることがあります。昔から使っている方法でも、周囲の状況や車の調子が変われば結果も変わります。始動前の確認を毎回同じ順番に固定すると、思い込みによる抜けを減らせます。
慣れによって手順を省くほど、普段と違う条件を見逃す可能性が高まります。
