指をMRI装置に入れて撮影した、実験の具体的な様子
この実験では、参加者の指を柔らかい筒のようなものに通し、ケーブルを使ってゆっくりと一定の力で引っ張るという方法がとられました。
引っ張る前と後には、通常のMRI撮影で関節の詳しい状態を確認し、引っ張っている最中には、より速いスピードで連続撮影を行い、鳴る瞬間を逃さないよう工夫されました。
1秒間に3枚以上のペースで撮影を続けることで、それまでの検査方法では捉えきれなかった、一瞬の変化をとらえることができたのです。
それでは、音が鳴った後に関節の中に残っていた気泡は、その後どうなっているのでしょうか。次の見出しで考えてみます。
気泡は本当に消えているのか、それとも残っているのか
「気泡がつぶれて音が鳴る」という説では、音が鳴った後は気泡が消えているはずだと考えられていました。しかし実際の撮影では、気泡らしき空間がしばらく残っていることが確認されています。
この結果を受けて、一部の研究者は「音が鳴るのは気泡がつぶれる瞬間ではなく、気泡が急に大きくなる瞬間ではないか」という、新しい考え方を示すようになりました。
つまり、気泡が「消える音」ではなく「生まれる音」だったのではないか、という見方です。長年の常識をひっくり返す可能性がある指摘として注目されました。
この議論に、さらに新しい角度から切り込んだのが、次のページで紹介するスタンフォード大学などの研究チームです。
