1947年、イギリスの研究者たちがX線で調べたこと
関節の音を科学的に調べようとした最初期の取り組みのひとつが、1947年にイギリスの研究者たちが行ったものです。彼らは指を鳴らす瞬間を、連続したX線写真で観察しました。
この調査によって、音が鳴る瞬間に関節の中の液体で何らかの変化が起きていることが示されました。骨そのものの形が壊れたり動いたりする様子は確認されませんでした。
この研究をきっかけに、「音の正体は液体や気体の変化にある」という考え方が科学の世界で少しずつ広がっていきました。今から80年近く前の話ですが、現在の研究にもつながる大切な出発点です。
ところで、一度指を鳴らすと、しばらく同じ指を鳴らせなくなることに気づいたことはありませんか。次の見出しでは、その理由を考えてみます。
一度鳴らすと、しばらく同じ指が鳴らせなくなるのはなぜ
指を一度「ポキッ」と鳴らすと、同じ指をもう一度すぐには鳴らせないという経験は、多くの人にあるはずです。これは、関節の中の状態がすぐには元に戻らないためだと考えられています。
研究によると、同じ関節を再び鳴らせるようになるまでには、平均でおよそ20分ほどかかるとされています。この時間の間に、関節の中の状態がもとの状態に少しずつ戻っていくと考えられています。
この「しばらく鳴らせない」という特徴は、後の研究者たちにとっても大きなヒントになりました。音の正体を探るうえで、見逃せない手がかりのひとつだったのです。
次のページでは、1971年に発表された、長く広く信じられることになったある説を紹介します。
