関節を満たす「滑液」とは、いったい何なのか
関節の中を満たしている液体は「滑液(かつえき)」と呼ばれています。読んで字のごとく、関節がなめらかに動くのを助ける液体です。
滑液は、骨の先端を覆う軟骨に栄養を届けたり、関節が動くときの摩擦を減らしたりする役割を持っています。いわば、体の内側にある天然の潤滑油のような存在です。
この滑液は、指の関節だけでなく、膝や肩、股関節など、体のあちこちの関節に存在しています。私たちが毎日体をなめらかに動かせているのは、この液体のおかげでもあるのです。
次の見出しでは、この滑液の中で起きているとされる「気泡がつぶれる瞬間」について、数字の面から見ていきます。
気泡がつぶれる瞬間の変化を、数字で見てみる
指を強く引っ張ると、関節を包む袋の内側の空間が一気に広がります。すると、その中の圧力が急激に下がることが分かっています。
この圧力の変化はごくわずかな時間で起こるとされ、それに伴って液体の中に小さな気体の空間が生まれたり、その空間が急に変化したりすると考えられています。
研究者たちは、この一瞬の変化を数式のモデルとして表す試みも行ってきました。目に見えないほど短い時間の出来事を、計算によって再現しようとしているのです。
ここまで「気泡説」を中心に見てきましたが、実はこの説を大きく揺るがす研究が2015年に発表されています。次のページで詳しく紹介します。
