1971年、リーズ大学の研究が広めた「気泡説」
1971年、イギリスのリーズ大学の研究チームが、詳しい実験をもとにひとつの説を発表しました。それは、関節の中の液体にできた小さな気泡がつぶれることで音が生まれる、というものです。
この説は「気泡がはじける音」というイメージのしやすさもあり、その後およそ40年以上にわたって、広く受け入れられる考え方になりました。教科書などでもよく紹介される説明です。
先ほど紹介した「一度鳴らすと20分ほど鳴らせない」という現象も、この説とうまく結びつきました。気泡がつぶれてしまい、新しい気泡ができるまでに時間がかかる、と説明できたからです。
では、もし関節の中にこうした気体がまったく存在しなかったとしたら、あの音は鳴るのでしょうか。次の見出しで考えてみましょう。
もし関節の中に気体がまったくなかったら
ここで少し想像してみましょう。もし関節の中の液体に、気体がまったく溶け込んでいなかったとしたら、あの「ポキッ」という音は鳴るのでしょうか。
多くの研究者の考え方に沿うと、答えは「鳴りにくくなる」というものになりそうです。気体の存在と、圧力の急な変化が組み合わさることで、あの独特な音が生まれるとされているためです。
実際、関節液には酸素や窒素、二酸化炭素といった気体がわずかに溶け込んでいることが分かっています。これは、私たちが呼吸で取り込んでいる気体と同じ種類のものです。
では、この関節液そのものは、どんな役割を持つ液体なのでしょうか。次のページで詳しく見ていきます。
