関節が鳴る本当の理由が、ここで分かる
ここまで見てきた内容をまとめると、指などの関節を鳴らしたときの「ポキッ」という音は、骨同士がぶつかっている音ではなく、関節の中の液体や圧力の変化に伴って生じる現象と考えられています。
関節を包む袋の中には、なめらかな動きを助ける滑液という液体があり、そこにはわずかな気体も溶け込んでいます。指を引っ張ることで内部の圧力が急に下がり、この気体や液体の状態が瞬時に変化します。
その変化の過程で、小さな気泡が生まれたり、一部がしぼんだりする動きが起こり、それが振動として周りに伝わることで、あの独特な音になっていると考えられているのです。
ただし、気泡がつぶれる瞬間なのか、生まれる瞬間なのか、その細かい仕組みについては、研究者の間でも今なお議論が続いています。次の見出しでは、この結論にたどり着くまでの流れを振り返ります。
この結論にたどり着くまでの流れを、年表で振り返る
ここまでの流れを、簡単な年表として整理してみましょう。1947年、イギリスの研究者たちがX線を使い、骨がぶつかっているわけではないことを示しました。
1971年には、リーズ大学の研究チームが「気泡がつぶれることで音が鳴る」という説を発表し、この考え方が長く広く信じられるようになりました。
2015年になると、カナダとオーストラリアの研究チームがMRIを使った実験で、音が鳴った後も気泡が残っていることを確認し、これまでの説に一石を投じました。
そして2018年には、スタンフォード大学などのチームが数式によるモデルで、気泡が一部だけつぶれるような動きでも音が説明できることを示しました。約70年をかけて、少しずつ理解が深まってきたテーマなのです。
