巨大な逆ピラミッド「東京ビッグサイト」
東京・有明の東京ビッグサイトは、日本最大の展示場として知られています。なかでも目を引くのが会議棟です。東京都の観光公式サイトでは、高さ58メートルの会議棟が、ピラミッドを逆さにしたようなデザインと紹介されています。四角い建物を上下逆にしたような形は、遠くからでも見分けやすい特徴です。
ここでは、形がそのまま使い勝手にも関係しています。会議棟は四つの大きな柱のような部分で空中に持ち上げられ、その下に人が集まる空間があります。見た目だけを変えたというより、大きな施設の中で広い空間を確保しながら、象徴的な外観もつくるという二つの目的を重ねています。巨大建築ほど、形には機能上の理由が隠れていることがあります。
逆ピラミッドという形は、一般的な展示場の入口を想像していると意外に感じます。会議棟の下に広い空間が生まれるため、巨大な建物でも地上部に余白をつくることができます。
会議棟の外観は、単に逆さの三角形にしただけではありません。巨大な構造体を上部へ持ち上げることで、その下に人が行き交える大きな余白を生み出しています。
軍艦のように見える「GUNKAN東新宿ビル」
東京・新宿には「軍艦マンション」と呼ばれる建物があります。正式名称は現在の「GUNKAN東新宿ビル」で、もとは第3スカイビルとして1970年に完成しました。建築ジャーナルの紹介でも、軍艦を思わせる特異な形が特徴として取り上げられています。銀色の外観や、横向きに配置された円筒形の給水設備などが、船のような印象を強めています。
設計した渡邊洋治さんは、船舶兵を経験した建築家でもありました。ただし、建物全体が実物の軍艦をそのまま再現したわけではありません。住戸を組み合わせた集合住宅として、都市の限られた土地に独特の構成をつくったものです。通称が広く定着したことで、建築の形そのものが建物の名前の一部になった珍しい例でもあります。
通称が正式名称のように知られている建物では、検索結果が複数の呼び方で分かれることがあります。GUNKAN東新宿ビルを調べる際も、第3スカイビル、軍艦マンションなどの名称を合わせると情報を追いやすくなります。
現在の名称に「GUNKAN」が残っていることからも、通称が建物の再利用後まで受け継がれたことが分かります。呼び名そのものが建築の記憶を保存する役割を果たしています。
