もし普通の四角い建物だったら?
ここで少し想像してみましょう。越前がにミュージアムが普通の四角い箱、プリンの森が一般的なカフェだったら、施設の中身は同じでも、遠くから見つけたときの驚きはかなり小さくなります。建物の形が「何の場所か」を記憶する手がかりになっているからです。
もちろん、目立つ形には建設費や維持管理、周辺景観との調整など別の課題もあります。だからこそ、すべての施設が奇抜な姿になる必要はありません。特徴的な形が有効なのは、その場所に伝えたいテーマや象徴があり、外観と内部の役割を結びつけられる場合です。
四角い箱形には、建設や家具配置、空調などで扱いやすいという一般的な利点があります。それでも形を変える価値があると判断されたとき、建物は特徴的な姿になります。奇抜さは目的ではなく、別の価値を得るための手段になることがあります。
一般的な四角い建物にも多くの利点があります。だからこそ、あえて形を変えた建物には、そこに追加したかった価値があると考えると、設計の意図が見えやすくなります。
もし形と中身が逆だったら?
では、プリンの形をした建物の中が宇宙博物館だったらどうでしょう。見た目と中身が食い違うため、面白さはあっても、初めて訪れる人は少し戸惑うかもしれません。逆に、UFOの形をした建物でUFOについて学べると、外観だけでテーマが伝わります。
建物の形には、案内板より早く意味を伝える力があります。だから、見立ての強い建築では「何に見えるか」と「何をする場所か」が近いほど分かりやすくなります。もちろん、あえて食い違わせる設計もできますが、今回の例には両者が自然につながる建物が多く見られます。
見た目と用途が一致している建物は、初めて見る人にも伝わりやすい一方、意外性の少なさという面もあります。あえて外観と中身をずらせば、驚きは増えますが、案内としての分かりやすさは下がるかもしれません。
形と中身をわざとずらすデザインは、見る人に「なぜ?」という疑問を起こせます。その疑問自体を楽しむ建物もありますが、今回の例ではテーマが外観から素直に伝わるものを中心にしています。
