Q. お店のWi-Fiに勝手につなぐのも、同じように罪になる?
A. 実は、Wi-Fiの無断利用については、電気とはまったく違う判断が出たことがあります。
2017年4月27日、東京地方裁判所は、隣の家の無線LANの暗号キーを解読して、勝手にインターネットに接続していた男性について、電波法違反の部分は無罪とする判決を言い渡しました。暗号キーは「無線通信の秘密」にはあたらない、という判断でした。
ただし、この男性はほかの罪で有罪となり、懲役8年の判決を受けています。Wi-Fiの無断利用が”まったく問題ない”という意味ではない点には注意が必要です。
それでも、電波法違反の部分については、法律の想定とずれていたために罪にならなかったわけです。では、なぜ電波は罪にならなかったのに、電気の充電は”窃盗”として扱われるのでしょうか。
水道やガスなら”物”だから分かりやすい。でも電気は?
お店のトイレの水道で水を大量に持ち帰ったり、他人の家のガスを勝手に使ったりした場合も、問題になり得ます。
水やガスは、量を量ることができ、容器に入れて持ち運ぶこともできる”物”です。そのため、他人の水やガスを勝手に取れば、”物を盗んだ”と考えるのは比較的わかりやすいといえます。
ところが、電気はそうはいきません。目に見えず、手でつかむこともできず、容器に入れて持ち運ぶこともできないからです。
形のない電気を”盗む”とは、いったいどういうことなのか。それを考えるには、まず法律の上で「盗む」という言葉が何を意味しているのかを確認しておく必要があります。
